当事務所では、輸出で必要な一般原産地証明書の発給申請サポートを積極的にお引き受けしております。
費用は料金表のページをご参考くださいませ。
一般原産地証明書は、契約やL/Cの条件によって、求められることがある書類です。
経済連携協定(EPA)による関税の優遇を目的とした「特定原産地証明書」はこちらのページでご紹介しております。
大前提の申請条件
商品の原産地が日本である=日本製であること、が大前提です。(外国製の場合は後述します。)
何をもって日本製とするか?については、「原産地規則」という専門的な知識を要します。
例えば、日本で取れた茶葉を乾燥させた緑茶が日本製といえることは誰でも想像できると思います。では、イタリア製の生地を使って日本で縫製したスーツは、日本製といえるでしょうか?
(答え:一般的にこの場合は日本製になります。)
工業製品の場合、日本製であるかどうかは、その商品の製造に使用される材料や製造工程をもとに判断します。そのため、輸出する商品の材料や製造工程の資料がない場合は、日本製であることの根拠となる情報がないため、原産地証明書の申請はできません。
商品が自社製造であれば、材料や製造工程の資料は用意できると思いますが、他社から仕入れたものを輸出する場合は、特に注意が必要です。
先ほどのスーツの例ですと、生地やボタン、ジッパーなど、スーツに使用する材料を、製造メーカーさんから開示してもらうことが必要です。どのような材料を組み合わせて製造しているかは企業秘密のことも多いため、最初にこの点でつまずいてしまうことがあります。
輸出する商品の材料や製造工程の資料が用意できるかどうか、まずご確認をお願いいたします。
申請できる人
申請できる人は、輸出者です。
通常、インボイスに「Shipper」として記載される会社が輸出者です。そのため、商品の製造者や商社などの関係者であっても「Shipper」に当たらない場合は、申請者にはなれません。
申請タイミングと場所
輸出1回ごとに原産地証明書は1件となります。
申請のタイミングとしては、船積み確定後~船積みするまでの間です。
海上輸出の場合、船名や出発日が未定の状態での申請はNGです。航空輸出の場合は、便名や出発日の記載がなくても可能なため、具体的な出発便が未定でも一応OKです。
海上・航空いずれも、インボイスの内容は確定していることが必要です。
申請先は、最寄りの商工会議所(同一地域内)が原則です。例えばお客様の事業所が東京23区内にあれば、東京商工会議所となります。なお、登記簿上の本店住所は大阪だが東京23区内にも事業所がある…というような場合は、大阪商工会議所または東京商工会議所を選択可能です。
申請方法は、窓口で書類を提出する方法に加え、オンラインでの提出も可能です。オンラインはPDFデータでの発給となり、紙の「原本」という概念がないため、事前に海外の取引先にPDFで問題ないかどうか確認してください。
必要書類
申請前に、まず「貿易登録」という商工会議所への登録が必要です。誓約書への記入や会社の登記簿などを提出します。
貿易登録後、原産地証明書の申請に必要な書類は次のとおりです。
1.証明依頼書
商工会議所にあります。オンライン申請の場合は不要です。
2.原産地証明書
証明用紙という専用の用紙をあらかじめ購入し、用紙に必要枚数分を印刷します。必要枚数がわからない場合は、オリジナル3部+コピー2部+商工会議所の控え1部の計6部でも良いと思います。オンライン申請の場合は、この専用の用紙は不要です。
3.コマーシャルインボイス
実際の輸出で使用するCommercial Invoiceです。Proforma InvoiceやCustoms invoiceは、申請には使用できません。
インボイスの書式は自由ですが、必須の記載事項を網羅する必要があります。サイン欄には、貿易登録と同じ署名者がサインします。サインは印字のサインでもOKです。
【コマーシャルインボイスの必須の記載事項】
・タイトル「Commercial Invoice」
・Invoice番号、Invoice日付
・輸出者(社名、住所、国名)
・輸入者(社名、住所)
・輸送情報(船名またはby AIRの表記、出発港、到着港、出発予定日、あれば積替港)
・商品名、数量、金額、貿易条件、支払条件、原産国、荷印
・末尾にサイン
なお、もしこれら1~3の書類に不備があった場合は、原則として差し替えが必要になります。差し替えではなく訂正での対応が可能かどうかは、商工会議所に確認が必要です。
提出書類に問題がなければ、通常は当日または翌営業日に発給されます。
4.製造に使用した材料や製造工程がわかる資料
この資料は商工会議所への提出は不要ですが、説明を求められたときに出せるようにしておく必要があります。
一般の原産地証明書の場合、商工会議所が確認する資料は、原則としてインボイスのみです。つまり、商工会議所で原産性についての具体的な審査はしてくれませんので、自社で判断する必要があります。その根拠資料として、製造に使用した材料や製造工程がわかる資料を用意します。特定の書式はありませんが、どんな材料をどのように用いて製造しているかを説明できる資料をご用意ください。
外国製品の場合
ここまでは商品が日本製の場合について解説いたしました。商品が外国製の場合は、追加の資料が必要となります。
商品が外国製の場合、次の2つのパターンのいずれかになることが多いと思います。
・再輸出…外国から輸入した商品を日本から再び輸出すること
・仲介貿易…日本、A国、B国の三国間貿易のこと
「再輸出」の場合は、次のいずれかの資料をご用意ください。次のうち1つの資料では商品との同一性が確認できない場合は、複数の資料を組み合わせて提出します。
・輸入時の輸入許可証(PDF可)
・輸入時のコマーシャルインボイス(PDF可)※原産地の表記とサインの記載があること。
・商品の写真 ※全体像と「Made in ○○」などの部分。できれば品番もわかるように。
・商品カタログ ※原産地が記載されていること。
「仲介貿易」の場合もいくつか必要な資料があるのですが、大きなポイントとしては、
・海外の公的機関が発行した原産地証明書(原本)
…が必要になることです。そもそも、海外発行の原産地証明書が取れるならば、日本で原産地証明書を発行する実益があまりないようにも思います。
お問い合わせは
原産地証明書についてお悩みのお客様、ぜひ当事務所にご用命くださいませ。通関士資格を有する行政書士がサポートいたします。
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